響の会〔清水寛二・西村高夫〕
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忠度
曲名: 忠度《ただのり》
作者: 世阿弥
季節: 春・旧暦3月
場所: 摂津・須磨の浦
分類: 修羅物・二場
上演時間: 約1時間35分
上演データ: 第2回 響の会
1992年6月27日(土)
宝生能楽堂
シテ・清水寛二


響の会 第16回研究公演
2002年4月20日(土)
銕仙会能楽研修所
シテ・西村高夫
忠度
清水寛二〔撮影:前島写真店〕
●あらすじ
文・山中玲子(法政大学能楽研究所教授)
 春の夕暮れ、もと俊成に仕えていた僧(ワキ)が須磨の浦で若木の桜に手向けをする老人(前シテ)に出逢う。老人は僧に若木の桜が忠度の墓標であると教えるが、僧が回向すると我身のこととして喜び、忠度本人であるとほのめかして姿を消す。その夜、僧の夢の中に忠度の霊(後シテ)が現れ、「読み人知らず」とされたことへの妄執と、一の谷での最期の様を語り、弔いを願って消えていく。
 修羅道の苦しみには触れず、忠度の和歌への妄執を描く作品で、「行き暮れて木の下闇を宿とせば花や今宵の主ならまし」という和歌を中心に、桜の花のイメージで一曲全体を統一している。後シテが舞うのも、戦闘の興奮を示す[翔リ]ではなく、和歌の情趣を表すような静かな[立廻リ]である。

〔'92/6/27 第2回 響の会 パンフレット掲載〕
●解説
文・山中玲子(法政大学能楽研究所教授
忠度は、都落ちの際引き返して師の俊成に自作の歌を託して行くほど、和歌の道に打ち込んでいた。一の谷の合戦で岡部六弥太に討たれた時も箙に和歌の短冊が結び付けられており、文武ニ道に優れた彼の死は人々の涙を誘った。戦乱の後、俊成は『千載集』に忠度の歌を一首入れたが、勅勘の身をはばかって「読み人知らず」とした。
 この『平家物語』の話を本説とした世阿弥作の修羅能。

〔'92/6/27 第2回 響の会 パンフレット掲載〕
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