響の会〔清水寛二・西村高夫〕
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●2005年11月
〔05/11/25〕あの夏の日の閃光 長崎の祈り 【021】
 昨日帰ってきたらもう紫式部の葉が茶色くなってきていたので、今朝紫式部の枝を落とす。まだ紫のきれいな玉の残っている枝は水に挿す。やりながらこのところクリーニングのおじさんが来ないな、やっぱり何か病気なのかしらと思っていたら、ちょうどやってきてがんで入院していたと言う。胃を全摘して一ヶ月。少し動いたほうがいいのでぼちぼちと。奥さんもやはり胃がんでそれは発見が遅く五年ほど前になくなったとの事。57歳はうちのかみさんと同じ。おじさんは64歳。またよろしくお願いします。

 新作能〈長崎の聖母〉初演、無事終わりました。
 ただ私がシテをやったとかではなく、あの催しのその時間の中に私がいる事が出来た、そのことに感謝。詳細は今は言葉では書けない。

 作者の多田先生、純心の片岡先生、浦上教会の平野神父はじめたくさんの人からよかったとのお言葉をいただきましたが、何より主催者、スタッフ、後援の方々、出演者(能役者と純心の合唱の生徒さんたち)、そしてお客様方全員、千人を越える人たちの心が、祈りが、そしてあの浦上の丘が、天主堂の空間が、美しい時間を紡ぎだしたのだと思う。その要としてのシテの役を勤めさせて頂いたことに本当に感謝したいと思う。

 前日現場でのリハーサル。「これはいける」、しかしいくつかの課題。何人かの役者たちと過ごして、結局寝たのは当日になって朝3時ごろか。そんなに遅くまで飲んでいたら声だとかだめになるのに不謹慎だとの批判も頂戴したが、私にとって、また当日の能にとって必要な貴重な時間だった。声はかすれたかもしれないが、役が私に憑依してきた初めての体験だった。迷わずに出来たのである。よき作品に、よき仲間を持つことの幸せ。

「あの夏の日の閃光」。

 と、ここまで書いたところで時間切れで、早稲田の稽古と、東京三菱銀行の稽古に行ってきました。早稲田の観世会は執行部交代で、また新たな出発。当面12月の関東観世流能楽連盟の合同自演会と来年3月にある自主公演へ向けての稽古。(稽古だけでなくまずよく能を見ようね。そして本を読んだり討論したりすることも必要。少し今人数が減ってきたね。来年新入生をたくさん入れようね。)
 自主公演では能も出す。〈経正(つねまさ)〉。4年生はそれぞれに長い仕舞も。
 合同自演会は確か私が当時(もう30年も前か!)提案したように思ったがどうだったろう。普通の自演会は各校がそれぞれ出し物を出しているのを、他校に地を頼んだり、いっしょに地を謡ったり、役を混ざってやったり、自分達を見直す試み。
 新幹事長のやる気、今日は一人で〈善界(ぜがい)〉の謡の稽古。中国の天狗が日本を我が道に誘引しようとやってきて比叡山のお坊さんにやられてしまうお話。
 「慢心の輩」。寿夫先生も先代銕之丞先生も仰っていたが(世阿弥も言っている)、できたと思って安心したらすぐだめになる。また先輩でも後輩でもあいつより俺のほうがましと思ったらもうその人の芸はだめになる。こわいお話。

 多田先生から長崎の感想のメールをいただく。「満足感に浸っています、東京での再演を望みます」とのこと。恐縮至極、感謝感謝。明日にでも拝借した『姥』の面をお返しに上がろう。
 まことに今回の催し自体がひとつのドラマとなっていたと思う。

 今度やはり詳しく書こう。あいや待たれい。
 次は〈永訣の朝〉の地謡!
〔05/11/20〕満月のたちまちにかけゆきて、夕顔の処女と朽ちゆく 【020】
 今日は空手姉さん(長女・麻耶)が全国大会に出場。大阪であるとて、本人は昨日行き、応援にかみさんが一番の新幹線で出かけた(家は5時出)。次女がちょうど大阪の学校で、良い機会。9時半からの一回戦に勝ったら天理が相手というから…。怪我しないで帰ってらっしゃい。

 ということで今日は一人でソフトボール娘の弁当当番。5時過ぎから始めたので(もう一度寝たら寝過ごしそうだったので)ゆっくり出来た。ご飯をしっかりつめて(梅干少々)、おかずには、ねぎ入りの玉子焼きと、しゃけとかぼちゃを焼いて(かぼちゃはこがしてしまったので炭になって食べられない所はカット)、豚肉とルッコラとえのきと青胡椒をいためたのと、ほうれん草の胡麻和えまで出来てしまった。それにおむすび(今日はしゃけ)一つとロールパン二つとお茶の水筒。(おかずのあまりは「身共が六波羅に」。)

 馬肥ゆる秋。腹が減るのは健康な証拠。
 長崎に行くのに穿くズボンがないからと、昨日町田にかみさんと買いに行く。ウェストがなんと88センチだという。結婚当初は多分73センチくらいだったから15センチも成長した。体重も15キロほど増えているようだ。ようやく装束を着けて変でない格好になってきたと思う。この前〈高野物狂〉の時、鏡の間で自分の裳着胴(着付のみで上着のない姿)の線が今までになく自然であったので「おや」と思っていたが、ようやくそうなってきたのだ。このためによく食べ、よく酒を飲んできた?

(ここで洗濯機が呼ぶ。おっと干そう。)

 洗濯、今日は比較的楽。空手娘がいなかったし、ソフトボール娘もこのところ1・2年生に現役をゆずって泥んこの付いたユニフォームが何枚も、ということが無くなったから(今日は五本指ストッキングだけ石鹸つけてごしごしして入れた)。そして私の足袋や肌着の類もなかったから(昨日は休養日)。
 干していたら豆腐屋さんが「ぷうーー」。いつものように二丁買う。出来立てはうまい。(早速につまみ食い。)

 さてさっきの事。ただ肥っただけでなく胸郭自体が膨らんだと思う。
 何年か前「丹後物狂」をやった時に、T. K氏に「謡う時に、もっと胸に響かせてもいいのでは」と言われ、以来それを試行錯誤している。始めのうちはどのようにすればよいのかがよく分からなかったし、一年ほど声を壊したりもしたが、ようやくその意味が分かりかけてきて、「胸」も膨らみ、「腹」も膨らみということになってきたのだと思う。
 腹といってもおへそより上が太く硬くなってきて、西村氏はこれを「謡い腹」と呼ぶ。子供たちは「父さん何それ、すごい!」と言ってペンペンする。もちろん肥ったから全部がすぐ良くなるわけではなく、これから。

 謡う時に口や顔に力を入れなくなってきたとは思うが、今後は実際の音のコントロールを、具体的には下に息が下がって安定した低い音が出せることがこれからの課題。〈高野物狂〉の後の銕之丞師の感想もこれ(〈高野物狂〉についてはまたまたいつか)。
 この間の稽古能(先週火曜日〈玉鬘〉シテ・西村氏・〈阿漕〉地頭小生)の後、ある先輩から「君達は口ばっかりで結果が出せていない。そんなんじゃ通用しないぞ」とのお言葉。(銕仙会では原則的に火曜日稽古能。行ってみると地頭ということも。)

  「はい・・・。」

 今年は新作や海外公演も多くあわただしく(しかし。やったらやった分の成果はありますよ)、来年は銕仙会での活動に重点をおいてしっかり鍛えますから、しばしお待ちを。
(肉体の変革―本当は「意識」の改革―にはなかなか時間がかかるのですが、やります。)

 昨日は午前中多田先生のお宅へ、新作能〈長崎の聖母〉の前シテに使う先生蔵の「姥」の面を拝借に。一昨日伺うつもりが、長崎の装束出しに結構時間がかかり、また早稲田の学生が相談事に来たので昨日に。幾つかのやりとり。先生ご夫妻も前日からいらしていただき、当日の後は有難いことに出演者・関係者の打ち上げを設定していただいている。先生のご期待に添えるべく当日の舞台を。(先生を撮ったNHKのドキュメンタリー番組が12月4日午後9時より放映予定。『脳梗塞からの再生』。新作能〈一石仙人〉('05/7/4・新宿文化センター)も少し映る予定。)

 今朝笛の松田さんよりも電話あり、合唱とオルガンと鐘のことで相談。すっきりとまとまる。
実は今朝かみさんが出かける時、夢の中で浦上の天主堂で稽古していて起きられず、5時10分にフト目が覚めたら出かけた後だった。まだ真っ暗な中を一人出かけさせてしまった。会場の地図や乗換えのメモを置いていったが大丈夫だったろうか。

 前回の日記を「今夜は満月か」と書き終わったが、もう満月を過ぎていたんだ。時は「立待」に、過ぎ行き、寒さに夕顔の花は蕾のままに朽ちていった。まだいくつかの蕾たち。ゲンノショウコの小さいかわいい花たちを豆腐屋さんが愛でていった。小春日和。さあ昼飯に。(具いろいろのチャーハンと昨日のなべに豆腐を入れて)。

 明日長崎へ参ります(舞台監督の小坂部さんと照明の野地さんと、後から銕仙会の笠井氏も)。 明日は仕込み。あさって現地で当日の時間に申し合わせ。そして23日本番です。仲間たち有難う。長崎の皆さんよろしくお願いいたします。

 今日は日記が長くなりました。では次は長崎のご報告を。
〔05/11/18〕望月のさえざえと夕顔は咲かずや 【020】
 一昨日は響の会にて〈高野物狂〉。今ようやく気がゆるんできている。
寒中、足をお運びくださった全てのお客様、そして出演者の皆さん、スタッフの皆さん、有難うございました。
反省記は今日夜スタッフと反省会があるのでそれ以降にしましょうか。
まずは「直面やらなくっちゃ」ということか。

 今朝はうちのすぐの角で交通事故。タクシーと原チャリの出会い頭。細い道でもともと交通量は少ないが朝その時間抜け道に使うバイクあり。バイクの人転倒していて足をやられている様子だったが、幸い自分で携帯をかけられる程度ではあった。交差点では一旦停止。

 今日はこれから新作能〈長崎の聖母〉(11/23〔祝〕・浦上天主堂)の装束をそろえに銕仙会へ。それから四谷でベールを仕入れ(ツレに使うため昨日一枚買ってみたけれどよさそうなのでもうひとつーツレ二人)、多田先生のところへ前シテに使う面(姥)を拝借に行き、東京三菱銀行のお稽古から、響の会の事務局定例会議へ(9時より新宿にて)。

 さあ長崎。昨日おツレと稽古をしました。あとは現地で。
 そして名古屋の響の会。名古屋は私はあまりつてがなく西村さんががんばってやってくれている。私もできるだけのことは…。

 小春日和。鳥の声。小菊の花を小さなアブ達が飛び回る。
夜はめっきり冷えるようになって、何日か前から咲きそうに膨らんでいる夕顔のつぼみが咲けないでいる。

 今夜は満月か。
〔05/11/14〕さすがにもう浴衣では寒いか。 【019】
今朝は〈高野物狂〉の申し合わせ。もう幸せ。

 大鼓の安福先生はチラシの雅雪先生のときの高野を打たれたそうで、『「カケリ」の前を絶句なさった。』は大きなプレッシャー。そこほんとに謡いにくいんです。地謡の若松さんがしっかり謡ってくださるので助かるが、後2日でもう少し仕上げるべきところ我にあり。しかし面白いよ。

 午後長崎の地謡の稽古。(少し短くしたり変えたりしたので)その後長崎のパンフの校正や訂正箇所を皆に送ったり。

 久しぶりに8時前には家に帰れたので近所の人に高野の券3枚頼まれていたのを届ける。この時間に帰れると助かる。このところ家では浴衣だが、もうちょっと涼しい。ハハハ。毎日いろいろで日記も書けずに、「嗚呼こんなこと書いたら尾も白いのに」と思いながら10日あまり。昨日の京都や一昨日の町田、その前は銕仙会の〈白鬚〉、長崎浦上天主堂での〈長崎の聖母〉稽古…。

 ことには長崎でのことが書きたいが、しかし今日もここまでで断念して明日の稽古能(〈玉鬘〉と〈阿漕〉)の勉強。帰りの電車の中でだけではまだダメだった。(いつも電車の中が私の稽古場だったり、謡を覚えるところなんです。そう、沖縄では電車がなかったので謡が覚えられなかった?)長崎の事はまた書きます。

 今日はこれまで。
 やあやあ「高野物狂」を乞うやご期待!
〔05/11/02〕今日も快晴 快食 快眠 快○ 小菊に蜆蝶 【018】
 今朝はソフトボール娘を送り出し、コーヒーとトーストの朝食の後、きのう早く帰宅し12時過ぎには寝たせいか元気で、2時間ばかり庭の手入れ。南天に残った山芋のつるを取ったら、モッコクのも取り、このモッコクが梅雨の頃虫にやられてそのままになっていたので、病葉(わくらば)を取り、風通りのよいように少し枝を落とし、その下の茗荷や水引や木賊たちも抜き、ついでに伽羅の生垣の下のほうも少し枝を落とし、ああずいぶんすっきりしてしまった。ご褒美はかみさんが見つけた丸々とした茗荷の子二つ。まだあったんだ。今夜の酒の肴!
 モッコクの木は、宝生流で地謡の前列が声を出してはいけないと「モッコクの木、モッコクの木」と口を動かすのだと聞いた事があるが本当かしらン。動いていると、日が当たって暑いくらい。

 一昨日の新宿御苑の薪能、寒かったが、はれて4年ぶりに出来てめでたしめでたし。4000人ほどのお客様。青山での催しなら20回できる!

 今度の土曜日は座間での薪能。ふるさと祭りが11月第一日曜と決まっていてその前夜祭にと決まったのでこの時期仕方ないが、また寒くなりそう。黒ワンの福ちゃんちは三枚出して一枚当たったそう。定員500人。ただし周りで立ち見してても大丈夫。雨降ったら市民ホールでそっちのほうが定員は多いよ。タイガのおばあちゃんも出したといっていたが当たったかしら(座間市 市民ふるさとまつり前夜祭 11月5日(土)午後6時〜8時/県立座間谷戸山公園東口広場 ◆ 内容:舞囃子 〈高砂〉清水寛二/狂言〈棒縛〉山本則俊/仕舞〈江口〉藤村 健/能〈葵上〉 鈴木啓吾/  ※座席での観覧申し込みは終了していますが立ち見は自由にできます)

 昨日早く帰れたのは午後早稲田のお稽古だけだったから。しかもとても疲れていたので終わってさっさと帰ってきたから(稽古のはじめのクイズ「両説いずれもあり」はどの曲にあるか? 正解は〈野守〉)。

 そうだ、疲れていたのは一昨日朝、全員集まって〈長崎の聖母〉の稽古があったから(そして帰りが遅かったから)。多田先生もいらして見ていただいたが、舞に関する疑問(これはこんど9日に浦上で聖歌隊も含めての稽古をやって決めるつもり)以外はほぼ良いとの事。浦上の教会では客席から登場するので青山では客席も使っての稽古。時間的に少し長いかもしれないが、これで見通しが立った。「ホッ。」(ベールのことなどあるので)明日装束をつけてみる予定。後シテにつける天冠も昨日中野の梅若さんから拝借して来ました。

 そして明日は〈高野物狂〉の銕之丞師のお稽古。さあ集中。

 先日の響の会の集いでは、西村さんが結局ご両親の法事のため出席できず、〈花筐〉の話題を割愛して高野のことでずいぶん話をする。表先生の進め方が分かりやすいので助かる。他流ではシテは最後に子方といっしょに高野山で出家するのだが、観世流は江戸期の改変で、一緒にふるさとに帰ることになっている。その辺がどうなのか、男の物狂いをどう見せていくのか等、なかなか大変ではあるが、私は面白いと思っている。地謡の若松さん始め皆さん(長崎のある人もいますし)、この忙しい時期ですが、よろしくお願いいたします。

 今日は夕方から東京三菱銀行の本店でのお稽古。

 あ、酒屋が来たね。日本酒一本頼んでくれている。おっとおっと、稽古稽古。
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