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〔07/04/03〕花に雨降るも道理 十年寝太郎が朝飯食って出勤 |
【127】 |
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早や春休みもおしまいか。土筆も昨日で食べ納めか。シュンランの色も早や移りにけりナ。
梅の木は花が落ちてまた真冬の姿に戻っていたのだが、わずかに赤い芽が出始めてきた。蓑虫が一つ揺れている。
ウラシマが咲いている。長い釣り糸をたれて。モッコクの下、トクサの隣。生垣の際、道から覗き見る。写真を撮りたいけれどうまくいかない。
アケビも花盛り。ワインレッドの貴婦人。日の光に透かすともっときれいだが、今日はお陽様もなし。
ジュウニヒトエが森になってきた。これもお日様に美しく蛍光。
山椒が少し伸びて葉も何枚かになった。そろそろ天気がよくなれば少し木の芽に頂くか。
一昨日か、かぼちゃの双葉がまとめて何本か出ていたので、摘んで炒めて食べてみたら「ニガ〜イ!」。
サカキの花がもう黒い玉になりかけてきたので、少しフラフラしている枝を切る。短いのをたかだか何本だが、おお、すっきりするね。切った枝を玄関の屋根の雨受けの甕に挿す。この前稽古能で内弟子の安藤君がやった〈胡蝶〉の中では「甕に挿す山吹の・・・」、今日は「甕に挿す榊葉の・・・」。秋には〈野宮〉でこの榊を鳥居の下に。
スィートピーも咲き出した。いや、おっと言いそこ間違い、これはフリージア!数えると蕾も入れて七つ花のついたのがあって、まるで空也上人の「南無阿弥陀仏」。
いつか「アニータさんにスウィトピィ」とこの日記の題を書いたことがあったが、その説明まで行かないうちに閉じてしまったので「何のこっちゃ?」だったろうね。一昨日はまた「アニータさんに桜の花びら」だった。
アニータさんは座間駅前商店街のお店。前は婦人服のお店だった(前の記事はその閉店に行った折、スウィトピィはその頃は花屋さんにて)が、4月1日より画廊に。開廊トップバッターは、女子美の学長にこの4月からなられた佐野ぬいさん。女子美の長い歴史の中で女性の学長は二人目とか。絵は抽象(油彩・水彩・コラージュあり)。明るくて素敵。余裕があったら求めたいところ(せめてと絵はがきを何枚か求めるが、これもいいよ)。
ここのおかみさんが謡の稽古をしている。ご主人が何年か前からパーキンソン病、一昨日お目にかかる。近年絵を書いていらっしゃるが、画廊にすれば二人でいる時間が増えるとの思い。
うちから谷戸山を越えて歩いていったが、座間駅裏の桜並木でチラチラと降ってきた桜の花びらが、フト右手の指の間に。そのままお店まで行って「アニータさんに桜の花びら」。
かの南米のアニータさんは、この前日本に来たようだったけれどどうしたかしら。
うちの長男、蓮太郎は昨日入社式。JOGMEC―独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構。こんな長い名前は人になかなか言えないよ。川崎に本部。うちからは小田急から登戸で南武線に乗り換え終点川崎、約1時間か。学校行くよりはずっと近いよ。何もなければいくら起こしても夕方まで寝ていた人がちゃんと一人で起きて、ネクタイ締めてご飯もちゃんと食べて、新しいスーツ・新しい靴で出かけて行く。ああ、雨降るわけだ。
配属が決まって、金属資源探査推進グループ、なんと南米、ペルーの担当とか。
ペルーと言えば例の日本大使館の占拠事件が起こった時、能の公演でもう後何日かで行くという時だった。結局キャンセルになってしまって行かなかったが、ああ、そのペルーだ。子供たちが熱心に読んでいた漫画の「タンタン」も行ってるよね。おお、この前国立科学博物館でナスカ絵だとか見たね。いつか行こう。スペイン語やっておいてね。
この前、銕之丞師に無事卒業就職の報告。子方以来のことあり、ある感慨。
「外国に行くのかな」と仰っていたがそのとおりに。
一昨日そのアニータさんの帰りに、また谷戸山を通って、夕暮れの少し雨の煙る鶯の声の中、「心残りならまた摘んで帰ったら」と妻。ウムとまた土筆を摘めば、また結構いいのが。もしかしたら今季最後で今季最高か。ちょっと離れて摘んでいてかみさんの方へ行ってみると倒れている。アリャ、植え込みに躓いたらしい。右足首捻挫。亭主の好きな赤烏帽子に、こりゃ実に気の毒。
もうそろそろと歩けるか。私も春休みおしまい。今日は夕方から青山へ(実は昨日も打合せで夜8時半に青山へ行ったが)。銕仙会の「西行桜」講座の今日は初日、私の出勤はないが拝見しよう。そして明日申し合わせの明野の「巴」の装束と、その後の「横浜三時空」の稽古(第一回目)の後での写真撮影用の装束の用意をしよう。
豆腐屋さんのプー。「花咲いたら雨だね」。カッパの中で笑顔。寒いよねえ。
今日はストーブたいてる。ああ、ラジオで甲子園の決勝も始まってるらしい。うちの末のソフト娘がなんだか背番号が1番になったらしい。わん!
さあ、昼ごはんの支度をしようか。 |
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