三日間早稲田の観世会の合宿に行って、帰り、長野からの新幹線。
昨年に続いて信州戸隠。宿は築山館。
涼しいし、おいしい空気においしい食事、そば。大丈夫かなと思って出かけたけれど、
少し生き返って帰ることができた。でかい声で怒鳴ったし・・・。
6月の〈沖縄残月記〉と8月の〈長崎の聖母〉で、相当草臥れていたみたいで
(「に記」もだいぶ休んで、これでは「折々に記さず」だと思っていた)、お盆
の休みだけでは回復せず、「あらあらこのまま秋に突入したらまずいな。鍼と医者に
いかなければ。」と思っていたのだけれど、合宿転地療法がよかったようだ。
ただし、稽古で座ってひざは痛い。
宿の食事に出るものや舞台までの移動の間にある植物で能の中に出てくるもの、
その曲目を学生たちにクイズに出してみた。
もちろん松・竹・梅・杉・・・などは色々出てくるが・・・。
カヤも出てくるよ。たとえば〈橋弁慶〉に「・・・思し召すカヤ、やさしの・・・」。
うちのマンドリン娘、次女の「伽耶」はこの春から大学院に進学して、
熱帯雨林娘となり、マレーシアに調査に行っている。ハスの長男、蓮太郎は
ペルーで石を掘っている。銅とかモリブデンとか。
そういえば宮沢賢治の「風の又三郎」に出てくるね。子供のときよく読んだからね。
さて「トマト」を能の中に発見した。今年5月の銕仙会で舞った〈玄象〉の中に、
「いかに姥、苫とりいだし候へ」と。「ニンジン」は、今度11月に響の会で舞う
〈江口〉に「然るに我等たまたま受け難き人身を受けたりといえども・・・」と有り。
〈ナス〉は「何とかをなす・・・」でたくさんあり、さて「キュウリ」は?
これは宿題にしてきた。そしてもうひとつ課題を出してきた。
『「二曲三体」とは如何なる考えか、述べよ。』
提出期限9月24日。
400字×8枚。但し、自筆に限る。
学生諸君がよいレポートを提出してくれるのを期待しているよ。
沖縄にかかったこの二年余り、本や資料や埃が積もって開けられなかったふすまが、
ようやくこの間開きました。私自身もようやく復活できそうで、久しぶりの「・・・に記」
を書くことが出来ました。お待たせしました。
(ああ、そうだ、納戸の中がまだひっくり返ったままだ。さて・・・。)
さて、秋の虫も鳴き始めました。また折々にお会いいたします。
セルリアンタワー能楽堂での6月「琉舞と能舞」・「沖縄残月記」公演、8月「藤戸」・
「長崎の聖母」公演につきまして、御覧頂いた方々、出演していただいた方々、作品作りに
色々ご教示・お力添え頂きました方々、セルリアン能楽堂スタッフの方々、
まことにありがとうございました。遅ればせながら厚く御礼申し上げます。
満員とのことでせっかくのところ御覧いただけなかった方々、まことに失礼いたしました。
心よりお詫び申し上げます。
来年それぞれ、沖縄・長崎現地での公演を望まれております。
一息つきましたので、その実現に向けて動き出したいと思います。
どうぞお力添えのほど、よろしくお願いいたします。
この欄を借りまして、この間の御礼・お詫び・お願い申し上げます。
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