響の会〔清水寛二・西村高夫〕
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●2010年02月
〔'10/02/07〕お陽様吉良吉良腹出しポンポコ 御三卿清水家
〔'10/02/04〕雪の西行 福は〜内 あら月謝袋 『三体二曲』
〔'10/02/18〕‘10沖縄如月日記

〈2.18〉
那覇発11:30(少し遅れて実際は50分発)ANA124便。
出発間際にゲートの隣で食べた沖縄そばが効いたのか、トイレに行きたくなったのに今日は気流の関係でなかなかベルトサインが消えない。ようやく消えてトイレに何食わぬ顔でダッシュ! ホッとして座席に着いたら、ああ前が開いてるではないか。さりげなくチャックを閉めて、ジュースをもらいこれを開く。
空港でのチェックインで荷物を預ける時に、(装束も入っているので)20kgを3kg重量オーバーとのこと。「それではオーバーを出しましょう」と言いながら、おもむろに向こうで着なかったオーバーを出す。しかし残念、カウンターのお姉さんは笑ってくれなかった。それだけでは足りずに本や冬瓜漬(謝花きっぱん店http://jahanakippann.com)・泡盛チョコレイトなども。
今日は羽田から青山に直行、〈敦盛〉と〈田村〉の稽古。
今回の沖縄は、沖縄県立芸術大学琉球芸能(組踊・舞踊)専攻三年次の「能」集中講義後期五日間。さて今回の沖縄はどうだったかな。


〈初日 2.13〉 昨日は銕仙会 終演21:50は最長記録か
6時起床 雪交じり霙。8:45羽田発ANA123便 那覇着11:25。意外に寒い。タクシーにて首里の県立芸大へ。途中多少渋滞。ほんとはモノレールが速いんだよね。
昼飯食べ損ね、授業13:00(実際は10分ほど後)。学生は3年次9人。男子二名女子七名。前期9月にやった〈羽衣〉の謡とキリの仕舞を思い出す。まずまず。
今日は短く二コマにしてもらい16:00に終わって、同じく集中講義でいらしている日本舞踊の橘芳慧先生と恩納村へ。
「おんなウイーク〜琉球芸能 彩・風・香〜」。芸大OBの琉舞のほかに、世界チャンピオン佐久本嗣男道場の琉球空手演武、地元青年団のエイサー、獅子舞など。
日々の生活や労働から芸能や祭りが生まれてきた実感あり。そして体を動かすそのもと、そして体を動かしてできる美しさ。
夕食は那覇に帰って、豚シャブ。桃豚・アグー。


〈二日目 2.14〉 旧正月(ばれんたいんでー)
宿泊は都ホテル。いつもの朝食。サラダの赤玉ねぎが辛い。
首里に綾門大道(あやじょううふみち)を登る。玉陵(たまうどぅん)に参拝。
授業の前に、美術系の卒業作品展を見る。織物や絵画にいい作品あり。ゆっくり見ていてまた昼食べ損ね。
昨年退官された佐藤太圭子先生御来校、お風邪とのことだが、いつものあでやかな笑顔。この前の東京国立での舞台を拝見できなかったが、橘先生があの「高平良万歳(たかでぃーらまんざい)」の引きで花道を使って素晴らしかったとのこと。
授業、〈羽衣〉。謡、男子と女子分けてワキとシテ、交互に謡ってみる。
二コマ目は能の話を色々(琉舞や組踊のことも交えて)。
三コマ目はワキとシテの型を簡単に一曲やってみる。
夜は池田さんに栄町に連れて行っていただく。「おとん」にてオリオンに久米仙。大将は同じく池田さん、大阪出身(ブログ http://buchikunrock.ti-da.net)。
日曜で市場のお店は大概閉まっていたが、市場大好き。


〈三日目 2.15〉 円鑑池の羽衣!橋は修理されていた 島すしの晩餐
いつもの朝食。窓の外のうっそうとした木々の上をオオゴマダラがひらひら、ツバメがスイッー。
綾門大道。玉陵。守礼の門。園比屋武御嶽。旧日本軍司令部塹壕跡。龍潭、円鑑池。芸大。いつもの道。
今日の二コマ目は奏楽堂にて集中講義日本舞踊(二年次)の発表を全員で見る。いやいやよく覚えたね。橘先生、私も習いたいです。
三コマ目は私たちがその所作台の上で稽古。男子二名でワキを、女子七名で「七人の天女たち」。
何かのはずみでゲラが出て、「笑うんじゃねえ!」
夜はいつもの「島ずし」さん。都ホテルの隣。大将は宮古出身。元気。
注文はしないが次々に鮨だけでなく色々出してくれる。また今日も食べそこねた昼飯分も食べた感じ。ドンと隣においてくれたやんばるの泡盛の一升瓶、えーと名前は…。そうだ北部大宜味村の田嘉里酒造「山原くいな」!
常連に人たちに、模合(もあい、同窓生などの定期的な会合・飲み会)の人たちに、都ホテルに泊まっている中国人の家族連れ。


〈四日目 2.16〉 栄町の夜は更けて おとんの今夜の客はナイチャー
今日は軽い朝食にして、初日分を午前中から授業。〈羽衣〉物着からの後半部。序の舞も「カカリ三段」の短い寸法ながらやることにしたので、装束を着けてやるのは明日にまとめてやることにして舞の部分をしっかり。明日までに覚えてきてね。
夜はまた栄町へ。「おとん」のカウンター。まあカウンター7・8名席しかないが。一人で行っても客同士話し出すのが沖縄。しかし今夜の客はヤマトンチュ。仙台の人、千葉の人、南部で看護師五年やってる人。市場好きが集まってる。噂に聞いた「おばあラッパーズ」のCD「めいどいん栄町市場vol.2」を購入。
23:00閉店。ああ、うどん食べ損ねた。南米料理の「SUDAKA」へ。チリ産のワインでおかみさん推薦の「なんとかナントカ」を食す。蓮太郎は今チリへ行っている。昨日サンチャゴ到着のメールをもらった。


〈最終日 2.17〉 人の出会いは不思議 縁が縁を
朝10:00に首里の養秀会館へ。首里高校の同窓会館。旧制一中の戦没者の慰霊碑・資料室あり。女子師範の「ひめゆり部隊」などに対して、男子は「鉄血勤皇隊」。その遺髪や健気な遺書、遺影など。遺骨が見つからない、どこでどうなったか分からない人も多い。尚王家の方々も。その同級でちょうど三年在学だった方にお話を聞く。
首里高校は前身の一中、そのまた前身の琉球王朝時代の「国学」から今年創立210年とか。
おととしに伺った時にお会いした幹事の大浜さんから昨年暮れに、信長の「人間五十年」についてメールにてご質問をいただき、今回またお会いして、「沖縄残月記」沖縄上演のご力添えをお願いする。息子さんが琉舞をやっていらして、私も拝見したことがある。
私の父もなにか首里城復元期成会のお手伝いを沖縄赴任時代にしていたそうで、今度いろいろ聞きださねば。
授業1時より、〈羽衣〉全員装束を着けて舞う。約一名体調不良により早退、残念だったね。坊主頭のタクミ君だけ鬘もしっかりつけて。あと7名の女子は皆髪が長いので、時間節約もあってそれぞれの「本鬘」にて。
物着後、後見座より、地次第太鼓打出し、「序の舞」カカリから三段一管つめて「和合之舞」風にキリへ、キリは常の型にて。地もみんなで謡う。
8名やれば終わって6時ごろ。やればできるじゃないか。初めの稽古でできなかった序ノ舞のカカリで角から正中へ廻ってくるところの唯の運び、これがみんなきれいだった。
OK!
謡に組踊の唱え風の抑揚・訛が出るのだが、それがなくなったらダメだから、聞いていて却って安心。毎年何かしらの実験、試行錯誤をしているが〈羽衣〉の授業、少し見えてきたか。また次はもうちょっとね。いつか〈道成寺〉もやってみたいね。
去年暮れに来た時、組踊「執心鐘入」の舞台になっている末吉宮を暗くなってから一人で歩いて、鬼が出るかという怖い思いをした。今度は昼間に行ってみようと思っていたが、機会がなかった。
打ち上げは首里の「守礼」にて。今夜の島酒は首里の「咲元」。店のおばちゃんたち元気。
一人の学生が、うちのソフト娘の厚木商業ソフトボール部に来ていた沖縄出身の先輩国吉さんに宜野湾の嘉数中学校でソフトの手ほどきを受け、一年後輩の二人と一緒にソフトをやっていた! 私もそのお父さんやお母さんとお話ししたことありますよ。


さあ、しっかり稽古出来てよかった。何かこれから琉球舞踊や組踊をやっていくうえで参考になれば幸い。またちょくちょく会うでしょう。一杯飲めるのもいいし、何か稽古の機会作ってもいいね。ではみんな元気で! そうだ「玉城朝薫の見た能」調べておいてね。

※読み返すとなんだか毎日飲んだくれているみたいだけれど、それは誤解です。

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